オスグッド病は、成長期の子どもに多く見られる膝の痛みですが放置せず放置してしまうと成人で同様の症状を呈することがあります。これを「大人のオスグッド」と呼びます。
大人のオスグッドとは?
小児のオスグッド病は、大腿四頭筋が脛骨粗面を強く引っ張ることで、成長軟骨が剥がれたり、炎症を起こしたりする状態です。成長期の骨はまだ柔らかく、この牽引力に耐えきれないために痛みが生じます。
一方、大人のオスグッドは、成長が完了しているため、成長軟骨の剥離は起こりませんが以下のような原因が考えられます。
・陳旧性のオスグッド病の再燃・遺残痛
小児期にオスグッド病を経験し、その部位に骨の隆起(骨化)が残存している場合、成人になってからその部位に繰り返しのストレスがかかることで、炎症や痛みが再燃することがあります。
・膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)
脛骨粗面への付着部が炎症を起こすことがあります。これは、繰り返しのジャンプや急な方向転換など、膝に負担のかかるスポーツを行う人に多く見られます。
・大腿四頭筋の柔軟力低下
大腿四頭筋の柔軟性が低いと、脛骨粗面への牽引力が強くなり、負担が増加します。
症状
大人のオスグッドの症状は以下の通りです。
・ 正座や立膝をして床についた時の膝の痛み
・ジャンプ、ランニング、階段の昇降などの痛み
・安静時の鈍痛
・患部の腫れや熱感
診断
診断は、問診と身体診察が中心となります。脛骨粗面の圧痛の有無、運動時痛の誘発などを確認します。必要に応じて、X線検査を行い、脛骨粗面の骨化の有無や、他の骨疾患の除外診断を行います。
治療
大人のオスグッドの治療は、原因となっている病態に応じて多岐にわたります。
・安静とアイシング: 痛みが強い時期は運動を控え患部のアイシング、立体動体波や鍼治療で炎症を抑えます。
・痛み止め: 非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)の内服や外用薬が処方されることがあります。
・大腿四頭筋のストレッチ: 筋肉の柔軟性を高め、脛骨粗面への牽引力を軽減します。
ハムストリングスや殿筋群の強化: 膝関節の安定性を高め、負担を分散させます。
・装具療法: 膝バンドなどを使用することで、膝蓋靭帯への負担を軽減できる場合があります。
予防
・適切なウォーミングアップとクールダウンを運動前後のストレッチや準備運動をしっかり行う。
・大腿四頭筋の柔軟性維持を日常的にストレッチを取り入れる。
・急激な運動量の増加を避け、徐々に体を慣らしていく。
・自身の運動フォームが膝に負担をかけていないか確認し改善する。
・ 膝関節を支える周囲の筋肉をバランス良く鍛える。
また、大人になってからの膝の痛みはオスグット病だけでなく変形性膝関節症なども考えられるので気になる方は整骨院へご相談ください。
西尾市 整骨院 いまがわ整骨院鍼灸院